福岡のかぶりもの劇団
・ギンギラ太陽’S
イムズホールでの最後の公演
「おしまイムズ、吹き抜けよ永遠に!」
観に行ってきました!
劇団・ギンギラ太陽’S(ぎんぎらたいようず)とは?
実在のビルを模したかぶりものを被って擬人化させ
地元福岡にしかわからないネタ満載の
お芝居をする福岡の劇団である。
姉が舞台をよく観に行っていたことが
私がギンギラ太陽’Sを知る
きっかけになった。
ブラック会社を退職して
現在に会社に入社し
平日に休暇が取れるようになった
2016年以降から
舞台をよく観に行っている。
小堺一機のコンサート以来人生最後のイムズホールへ
ギンギラ太陽’Sの公演前に
イムズ館内の動画・写真を撮りまくる。
折しも緊急事態宣言まっただ中
公演中止にならなくてよかった。
去年の天神コアビル解体を
テーマにした舞台は
延期の末に中止になったしまった。
なので今回はどうなるのか
心配していた。
無事に開演できてよかった。
会場にて
客席の間は空けず、ほぼ満席だった。
しかしギンギラ太陽’S恒例の
開演前の写真撮影会はなかった。
やはり演者と観客の接触は
できないのだろう。
開演前の楽しみだったが
仕方ない。
そして開演中の会話は控える、
歓声は出さないように
再三アナウンスされていた。
ストーリーはありつつも面白小ネタが続く
この劇団の舞台は
ストーリーが進行する中で
ひたすら面白福岡小ネタ集が続く。
今回の
「おしまイムズ、吹き抜けよ永遠に!」のストーリーの紹介をしよう。
主人公のイムズビルの化身(?)
であるイムズマンが
タイムスリップして、
過去の天神に行く。
かつての流通戦争時の
戦友ビルだった
福ビル、天神コア、ビブレと
再会し天神への熱い想いを
語り合う。
志を新たにして
現在に戻るという話。
【爆笑福岡小ネタ集】
・ネズミーランド(東京にある夢の国)から来たネズミみたいなキャラ
(ミッ〇ーマウス?)、
ピューローランドから来たネコみたいなキャラ
(キ〇ィちゃん?)が登場。
(どっちも見た目は前身タイツの
おじさん)
お上(政府)は客を減らせとは言ってくるのに
ゼニ(支援金)はくれないとボヤく。
・シルバニア・ファミリー
(マフィア?)の力を借りても
かしいかえんの赤字は解消できなかった。
・福ビル、天神コア、ビブレの再開発で
ビブレがゴネにゴネた。
ビブレは親会社がいろいろあって
揉めていた。
ニチイ→マイカル(あったなそんなの)→イオングループへ変遷
・博多大丸の折り込み広告のチラシ
表はカワイイお手頃価格のバッグなど、
雑貨や服のセール品が載っている。
裏はなぜか「大黄金展」のお知らせ。
300万円の純金の干支の置物とか
誰が買うのこんなもん。
・解体ビル天国に
旧市役所、福ビル、天神コア、ビブレ、
そしてなぜか玉屋がいた。
・玉屋も天神に進出しようとしていた。
しかし中洲で力尽きた。
・109もどきのギラギラギャルの店ばかり
になり果てた天神コア。
セシルマクビーとかが入っていた。
しかしそんな天神コアは開業当時は
おしゃれなファッションビルだったのだ。
私も中学生ぐらいのころ親に連れられて
服を買いにいったものだった。
・2020年閉館のビブレと天神コア
緊急事態宣言前と後では
閉店セールの盛り上がりかたが
全く違っていた。
緊急事態宣言下で行われた
天神コアの閉館セレモニーは
全編オンラインで
実にひっそりとしたものだった。
・博多駅ビルがいくら新しくなっても
筑紫口周辺は相変わらず
パチンコ屋と飲み屋が
軒を連ねるうらぶれた雰囲気。
なんも変わってない。
・愛眼ビルが
イムズマンのマイクになっていた。(※)
・地下鉄3号線の新駅名
「櫛田神社前」になる。
陥没事故(※)で
ただでさえ工事が遅れてるんだから
早くしろ。
※博多駅前道路陥没事故
・ユーテクプラザはネタにされがち。
いまだにユーテク(※)を
話題にするのは
ギンギラ太陽’Sしかいない。
※平成元年3兄弟・
ユーテクいち早く死ぬ
・ユーテクプラザ→ジークス天神
→天神ロフト
ジークス天神とか懐かしすぎて
卒倒しそうになる。
そんなジークスもたまに行っていた。
ジークスは天神の端の端の
南天神にあった。
南天神は遠い。便が悪い。
天神地下街がギリ通っていない。
ギンギラ太陽’Sのここが好き
ギンギラ太陽’Sのお芝居のテーマは
「福岡の人にしか分からないお芝居」である。
おそらくここまで福岡以外の人は
わけが分からなくてキョトンだろう。
ギンギラ太陽’Sの舞台で
よく話題にのぼる
「ベスト電器の買収先」とか
「ヤマダ電機の傘下に入った」とか
おそらく福岡の人しか
興味がない。
博多駅の筑紫口が
いつまでもうらぶれてるもの
福岡あるあるである。
私はTVなど主要メディアで流される
東京の話なんか
もうどうでもいいのである。
代官山ニューオープン情報とか知らん。
表参道のタピオカ屋なんか興味ない。
いいから福岡の話題を話せ。
博多華丸大吉が全国ネットのTV番組で
福岡の話題をよく話す。
「地下鉄の工事がいつまでも終わらん」とか
「牧のうどんが無限に増える」とか
「香椎のダイエーで少年隊のデビューライブを見た」といった
福岡あるあるが聞きたいのだ。
「そうそう、そう思う!」という
嬉しい共感を感じたい。
見慣れたビルたちが擬人化して
大好きな福岡あるあるを話す。
ギンギラ太陽’Sの舞台は
そんな嬉しい共感にあふれている。
イムズマンのマイクが愛眼ビル(※)
イムズマンが手に持ってるの何?
メガネかけてる?
ああ…愛眼ビル(左)ね!
イムズに色も形もそっくりの
老舗のメガネ屋・愛眼ビル
ちなみに愛眼ビルは
イムズとは全くの無関係。
ただ隣にあっただけ。
なんなら愛眼ビルの方が
会社としては古い。
(愛眼CMより)
以前は真っ黄色のビルだったのだが
思いっきりイムズに寄せて
金ピカに建て直した。
なのに、先に解体されるイムズビル。
残された愛眼ビルはいったい…。
愛眼ビル「イムズマ~ン!
俺を置いていかんで~!(泣)」
イムズイズムの継承者・丸の内ビル
物語の最後に
イムズの弟ビル・
丸の内ビルが登場する。
福岡の話なのに東京のビルが登場した。
果たしてこの意図とは?
「イムズを天神に建てて街おこしならぬ
九州おこしをして盛り上げた。
そのイズムが丸の内ビルに継承され
東京丸の内が発展した。
イムズは新しいことに
挑戦する象徴なのだ。
現在停滞している世界を
新しく切り開くために
チャレンジしていかないと
いけないのだ」
新しい挑戦をする。
おそらくこれがイムズマンこと
大塚ムネトさんが
最も言いたかったことはないだろうか。
イムズは老朽化して
建て替えるのではない。
期間限定で建て替えると
建築上色々優遇措置がされる。
これを逃すと優遇はもらえない。
要は未来に向けての
前向きな解体なのだ。
まだ使える、まだいけると思っていても
いつか老朽化する。廃れていく。
まだ元気なうちに次に向けて動く。
そんなイムズマンの姿が印象的だった。
迷える自分はどうなのだろうか
私は現在では安定して働いている。
しかしずっと低賃金である。
成長しない業界なので
給料は上がる見込みはない。
副業を始めたいものの
稼げるビジョンを描けていない。
今、仕事が面白くない。
自分の創意工夫が必要とされていない。
自分じゃなくてもできる単純な労働。
私がやっているのは
「10㎞先にある井戸に毎日歩いて
水汲みに行ってるような」
仕事なのである。
このままでいいのか?
今の会社は
以前のブラック会社とは全く違って
休暇や働き方の点で
非人道的なところはない。
仕事は定時で終わり、
ちゃんと休暇も取れている。
ただ、
給料が超低空で安定しているのみ
である。
このまま何もしなければ
おそらく10年、20年何も変わらない。
ただし変わらないという保証もない。
自分から何もしなければ流れに任せて
ただ低きに流されていくだけだ。
誰にでもできる、別の水汲みの仕事に変わるだけだ。
ずっとこのままでいいのか?
もっと自分の出来ることを磨いて
認められたくないか?
ステップアップしたくはないか?
変わっていく世界
今は時代が大過渡期にある。
様々なものが変革を
余儀なくされている。
働き方
価値観
常識
これから大きく変化していく。
どうなるか誰も予想できない。
コロナみたいに予測不能なことは
これから次々と起きる。
イムズはまだ若い。
でも現状に満足しない。
今のポジションをリセットして
チャレンジする。
一方、私はイムズとは違って
年齢は気にしてしまう。
年齢やスキルを考えてしまって
諦めそうになる。
低いながらも今の安定が惜しい。
でも今後が不安。
しかし
何かするには年齢的に遅くはないか?
イムズ(ビルという存在)はおわる。(しかしチャレンジしていく)イズムはつづく。
先への不安。
そんな不安をものともせず
イムズマンは立ち上がり、飛んでいく。
個人でも情報発信できる時代になった。
欲しいモノの手に入れ方が変化した。
情報やモノの価値観が
変化した。
世界は変化していく。
イムズは一時代の役割を
終えたのだ。
天神をさらに発展させるという
使命を胸に旅立っていった。
金ピカビルのやることは
いつもまぶしい。
そして天神の一等地に一人残された
金ピカの愛眼ビル。
周りのビルはみんないなくなった。
きっとイムズや他のビルが新しくなって
戻ってくるまで
ここで帰りを待ち続けることだろう。
天神イムズ
→「おしまイムズ THE LAST SHOW
CM公開中!」