「最期に触れた、そのぬくもり。」
あらすじ
仕事を失ったチェロ奏者・小林大悟(本木雅弘)は、故郷の山形に戻り、新たな職を探す。偶然見つけた「旅のお手伝い」という求人に応募するが、それは納棺師という死者を送り出す仕事だった。最初は戸惑いながらも、師匠である佐々木(山崎努)のもとで仕事を学び、死と向き合ううちに、次第にその尊さに気づいていく。そんな中、大悟は長年疎遠だった父の死に直面する。
感想
『おくりびと』は、死をテーマにしながらも温かさとユーモアが感じられる作品だ。納棺という仕事を通じて、人が生きた証を尊重し、送り出すことの意味を深く考えさせられる。大悟の成長とともに、観る側も死に対する価値観を揺さぶられる。
感動したシーン
特に心を打たれたのは、大悟が歳をとった父の遺体と対面する場面。幼い頃に別れた父が、死の間際まで自分からもらった小石を握りしめていたことを知り、涙が溢れる。固く握られた手をほどくと、小さな白い石がコロンとこぼれ落ちる。長年疎遠だった父が、実はずっと家族のことを忘れていなかったのだと悟る瞬間は、言葉にならないほどの感動があった。
個人的な違和感を感じたシーン
この映画は全体的に素晴らしいが、いくつか違和感を覚えるシーンもあった。
- やたら食事シーンが多い 登場人物たちが食べる場面がやけに印象に残る。特に、もらったばかりの干し柿を車の中でむしゃむしゃ食べるシーンは奇妙に感じた。あのタイミングで食べる必要があったのか?
- 広末涼子の笑顔が嘘くさく感じる 広末涼子演じる美香の笑い顔がどこか不自然で、逆に笑っていない時の方が美しく見えた。彼女の演技自体は悪くないのだが、違和感が拭えなかった。
- 余貴美子の若さに驚く 先週見た映画ではおばあさん役だったのに、この映画ではまだ若々しい姿だったのが印象的だった。
- 腐乱死体の家にマスクなしで入る コロナ前の時代だからなのかもしれないが、あまりにも無防備に腐乱死体のある家に入っていくのが気になった。
まとめ
『おくりびと』は、死をテーマにしながらも、生きることの意味を問いかける感動作だった。納棺師という仕事の尊厳を描きつつ、家族の絆や過去と向き合う大切さを丁寧に紡ぎ出している。些細な違和感を感じる部分もあったが、それを差し引いても傑作と言える映画だった。
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