【浪費の果て】地獄に突き落とされた買い物バカの話

ミニマリスト

これまでのあらすじ

ノリ一発で高額なバッグを手に入れた。

しかし意外と使い勝手が悪い上に

誰も褒めてくれないのだった。

見せびらかしたくて街に行く

会社帰り、繁華街に買い物に行った。

会社よりもオシャレな人が多い街のほうが

みんなバッグを見てくれるだろう。

ほら、道行く人が私のバッグを見ている。(ように見える)

なんせレアもののヴィトンだからね。

そりゃ見るよ!

ドラッグストアでいつもの買い物をした。

ポイントカードが入ったサイフを出して、

バッグに入れた。

…はずだった。

不運なことに帰りは大雨が降った。

傘が役に立たない。

重い荷物を持って、重いバッグを濡れないように持って

傘をさしながらヘトヘトになって帰った。

結局ずぶ濡れになった。

買ったばかりのバッグも濡れた。

「もう…疲れた…。重い…。腕が痛い…。

服がべちょべちょで気持ち悪い…。」

帰宅して大急ぎでバッグを拭いて

中のものを出した。

サイフがない…

バッグをひっくり返して探した。

サイフが見当たらない。

「あれ?バッグに入れてなかったかな?」

もしかしたら服のポケットの中?

もしかしたら買ったものと一緒にエコバッグの中?

どこにもない。

「なんで?そんなはずがない…。盗られた

ドラッグストアでサイフを出したのは

確かに覚えている。

頭の中がざわざわしてきた。

不安がよぎる。

まさか、落とした?

どこで?ドラッグストアの店内?

街の中?道路?

サイフの中には

現金が数万円、運転免許証、健康保険証、クレジットカードが

入っていた…。

「ヤバイ…。なくしたらヤバイ…。」

時計を見るともう21時を回っている。

どうしよう。もうこんな時間だ。

カードの停止とか警察とか

色々連絡するのは明日にするとして

まずは探さないと

夜中、雨が降る街をさまよう

外を見ると雨は小降りになったものの

まだしとしとと雨が降っている。

とりあえず帰り道をたどったら

どこかにポンと落ちてるかもしれない。

「今から出たくない…。雨まだ降ってる…。

夜遅いのに…。明日も仕事なのに…。」

行かなかったらどうなる?

もしホントに今もどこかに落ちてたら?

早く行かないと拾われる。

もうどうせ歩きながら探すし

雨で人の通りが少なくて探しやすくて

見つかるかもしれない。

…もし誰かに拾われていたら?

身分証を悪用されたら?

クレジットカードで高額な買い物されたら?

バッグの請求もあるのに。

どうしよう。どうしよう…。

なんで、こんなことになるんだ!

私のバカ!

なんで、

ちゃんとバッグに

サイフを入れなかったんだ!

穴が開いてるんだから落としやすいのに!

穴が開いててオシャレと思うとか

バカじゃないか!

なんで雨なんか降ったんだ!

雨降るって分かってたら行かなかったのに!

なんで今日なんだ!

新しいバッグ持って行った日に限って

こんなことになるんだ!

傘持って荷物持って、

重いバッグ持って…。

腕が疲れた。痛い。

腕が疲れていなければ

ちゃんとバッグに入れたかも

しれないのに。

バッグが重くなければ

腕が疲れてなければ落とさなかったのに!

なんで買い物になんか行ったんだ!

そうすればサイフを落とさなかったし、

夜遅く雨の中歩き回らなくても済んだのに。

バックの購入金額

144万7000円

こんなにお金払ってサイフを落として

何なんだろう。

あんなバッグ、買うんじゃなかった。

いい気になっていた自分が恥ずかしい。

なにがオシャレに思われる、だ。

なにが自分が変わる、だ。

自分はバカだ。大バカだ。

時間が戻ればいいのに。

そしたらサイフをちゃんとバッグに入れるのに。

その前にあんな高いバッグなんか

買わないのに。

23時、雨は止まない。

サイフは見つからない。

興味の消失

もうあのバッグは使う気が失せた。

クローゼットの奥にしまっている。

重いし使いづらいし、

嫌な思い出しかない。

そして毎月、高額な請求が来ている。

後日談、というか今回のオチ

ハイ、もうとっくにお気づきでしょう。

穴の開いたヴィトンのバッグは買ってません。

すべてフィクションです。

「もしルイ・ヴィトンの穴開きバッグを

衝動的に買っていたら…」の妄想を

書いてみました。

いかがでしたか?

自分の今までの経験、買い物の傾向、

陥りがちな思考のワナなどを

参考に書いています。

次回は制作裏話と考察をやっていきます。

・元になったネタ

・普段のやりがちな買い方

・これからのために

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