【本当の仲間とは】心を開かなければ誰とも近づけない。

ものの考え方

・同僚Nさん定年退職

・3年間同じチームにいた

・あまり話したことはなかった。

3年間同じチームで仕事した同僚Nさんが定年退職した。

3年も同じ仕事場にいたものの

あまり話したことがなかった。

あることをきっかけに

連帯感が生まれた。

ベタベタした付き合いはしていない。

仕事上信頼しあえる仲だった。

そんな彼女がいなくなる。

私はいいようもない寂しさを

感じていた。

大きなミス、パワハラ、自信喪失

3年前、私は仕事のミスをきっかけに

担当から外された。

そして厄介払いのように

Nさんたちがいるチームに

放り込まれたのだ。

そう思うのも当時の上司に

パワハラまがいの叱責をされ

完全に自信を喪失していたからだった。

「仕事から排除された。

私は役立たずだ」

勝手にそう思い込み

そして心を閉ざしてしまった。

実際は島流しなどではない。

Nさんのいたチームは5人編成で

みんな親切な人たちだった。

それなのに私はひとり、

内心ふてくされていた。

自分のことを話したくなかった。

仕事中の雑談ですら苦手だった。

黙々と仕事をしていた。

Nさんも余計なことは話さず、

お互い淡々と仕事に

励んでいたのだった。

・大きな失敗をして心を閉ざしていた。

・私もNさんもリーダーに従うだけのメンバーの一人だった。

・仕事に励むことだけ考えていた。

リーダーたちは去っていく

時が経つにつれ、

チーム内で退職、異動が相次いだ。

その度次々とリーダーは交代した。

やがて5人いたメンバーは

私、Nさん、Yさんの3人になった。

この3人はほぼ同じ時期に入社した

同期だった。

なのでNさんとYさんは仲がよく

一緒にいて話すことが多かった。

一方、

私はYさんが少し苦手なこともあり

2人とあまり話さなかったのだ。

仕事中私もNさんも2人とも

ほぼ無言になる。

作業に没頭するからだ。

休憩中はそれぞれスマホを見たりしていた。

話はしない。昼食は別々にとる。

だからといって仲は悪くない。

そして2年経った。

Yさんがチームから抜けた。

初期のメンバーは

私とNさんだけになっていた。

気がつくと2人とも

チーム内で古参になっていた。

そして新人が1人。

そして私は

チームリーダーになっていた。

以前いたパワハラ上司は

もういない。

私の頭を抑えつけるものは

なかった。

今まで慣習でやっていたことを

見直し仕事のやり方を変えた。

色んな角度から

徹底的に業務の効率化を

目指した。

Nさんも賛同して

ついて来てくれた。

・相次ぐリーダー交代

・古参のメンバーはNさんと自分

・ついにチームリーダーになる

A氏事変

時々、担務変更で新人さんが来る。

以前の私がそうであったように

別の仕事でミスをした人や

他の担当で性格上扱いにくい人が

放り込まれてくるのだ。

その中で一番印象深かったのは

A氏だった。

A氏はトラブルメーカーだった。

・コミュニケーションをとらない

・仕事が遅い

・人の指示を聞かない。

他の担当もA氏の扱いに困って

私のいるチームに放りこんできた。

私はA氏の態度や仕事の出来の悪さに

四六時中、悩みに悩んでいた。

私もNさんも

A氏の仕事の遅さや態度の悪さにほとほと困り果て

お互いにどうしたものか相談しあった。

「A氏さんって返事しないよね。

だからこっちの言ってること

ちゃんと伝わってるのか不安になるよね!」

「A氏さん、遅いからその作業するのはやめてって言ったのに

全然聞いてくれないんですよね…」

A氏の扱いという共通の困難に

立ち向かうという目的を持った。

連帯感のようなものが

生まれた気がする。

私はNさんと共通の話題を持って

話せるようになったことが嬉しかった。

それなのに話題がA氏の悪口とか

悲しすぎる。

私はA氏には仲間になって欲しかったのだ。

今は要領が悪くて仕事ができなくても

成長して一緒に仕事をやっていきたかったのだ。

私とNさんのように。

私は動画などを見て人のタイプを勉強し

A氏になんとかして仕事の上手なやり方を

教えようとした。

しかしA氏は去った。

バックレて来なくなった。

私のやり方が

気に食わなかったのだ。

とりあえず危機が去った。

そしてチーム内は私とNさんだけになった。

やがて私とNさんは以前よりも

言葉を交わすように

なっていった。

さらに仕事は忙しくなった。

バックレたA氏がいないことで

人員が不足していたからだ。

補充もない。

本来3人でやる仕事を2人で片付けた。

・扱いにくいA氏の対応を相談しあった。

・忙しい仕事を協力してやりとげていった。

これらの事件が2人の信頼関係をより強固にしていった。

どんなに忙しくなっても

彼女がいればリカバリーできると

信頼していた。

実際にその期待に答えてくれた。

「Nさんに任せていたら大丈夫ですね。」

「クロロ(仮名)さんが

いてくれてよかった!

私だけだったらトラブルの解決

できなかったよ!」

一応チームリーダーである私。

Nさんは私にないものを持っていて

サポートしてくれた。

人への気遣い、人を楽しませる性格の明るさなど。

仕事に没頭しがちな私に代わって

新人さんに声掛けしたり冗談を言ったり

気遣いの出来る人だった。

仕事の進め方や新人の対応など

よき相談相手だった。

尊敬していた。

・A氏事変をきっかけにNさんと打ち解ける

・Nさんとの信頼関係ができた。

・Nさんは人間的に素晴らしかった。

Nさんの定年退職の日が近づく

彼女の退職の日まで

ずっとあと2日、1日とカウントダウンしていた。

まるでゆく年くる年でも見ているような

寂しさ、悲しさ。焦り。

あっという間に3年間も経っていた。

仕事に行けばほぼ毎日

Nさんと顔を合わせていた。

そしてもういなくなる。

当たり前にあったものが

なくなってしまう喪失感。

いったいこの数年、数ヶ月そして今

何回この喪失感を経験しただろう。

当たり前のことが失われる寂しさ。

寂しさしか言い表せない。

そして悲しみ。

なぜ悲しいのか。

「もっと仲良くなれたんじゃないか?」

私はいつもそうだ。

関係が終わりに近づくと

急に寂しくなってくるのだ。

そして

何かしないといけないと思う焦り。

わたしは

どうなりたかったんだ?

「Nさんともっと仲良くなりたかった。

もっと話をしたかった。」

3年間、時間はあったはずだ。

話をするチャンスはあったのだ。

それとも個人的に連絡をとるような仲に

なりたかった?

多分そうじゃない。

お互いに仕事中は無言で作業に没頭していた。

仕事の話で連帯感を持ち

信頼を築けた。

私も仕事を完璧に果たし

他のメンバーを全力で

サポートすることに注力した。

Nさんは自分の役割を果たし

自分で考え期待以上の働きをした。

いい関係だったのかもしれない。

自然とそうなったのだ。

仕事の愚痴を聞いてもらえる

数少ない相手だった。

ほぼ同期で仕事の悩みを分かち合う。

よき理解者だった。

ひとり取り残されたような気持ちになった。

・寂しさ、悲しみ、焦り

・Nさんともっと仲良くなりたかった。

・よき仕事仲間だった。

大丈夫、仲間がいる

Nさんの後任のメンバーに

新人Tさんと同じく新人Kさんがいる。

Tさんは自発的に行動し

仕事の覚えが早い。

Kさんはのんびりした性格だが

教えたらちゃんとできるし

積極的だ。

頼れる仲間たちがいる。

寂しく感じるのは不安でもあるからだ。

新人2人と私1人でうまく仕事を回せるのか?

Nさんという精神的支柱を失った今

先のことはわからない。

これまで頼れるリーダーたちが

次々と異動や退職でいなくなった時は

心細かった。

その上扱いにくいA氏の登場。

指導に悩む日々。

他人任せでなく

自分がなんとかしないといけない!

と覚悟を決めたのだ。

どうやったらできるのか考え

実行して

またやり方を考える。

そうやって私は成長してきた。

いま

不安と感傷が混ざっている。

やれないことはない。

いつも通りにひとつひとつに完璧を目指す。

完璧は目指さないと到達できない領域だ。

ぼんやりやっていても決してたどりつけない

「自分がなろう」と望まなければなることができない、

一瞬の点なのだ。

ひとつひとつの点の仕事を完璧にやり遂げる。

そして完璧の点をつなぎ

「完璧の状態」を作り出すのだ。

私は完璧ではない。

だからこそ完璧を目指す。

・頼れる仲間がいる

・先のことが分からず不安だ。

・完璧は望まなければたどりつけない

Nさんへ

おそらくもうとNさんと会うことはないだろう。

「さようなら、Nさん。

いままで、おつかれさまでした。

あなたのことは本当に頼りにしていました。

しかしどこか依存していたのかもしれません。

あなたの素晴らしさを見習います。

人に対する気遣い、優しさ

大切なことを教えてくれて

ありがとう。

お元気で!

楽しい第2の人生を!

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