【リアル聖者の行進】障害者と働く職場

仕事

ケース1・高飛車な女の子

同僚Nさんから聞いた話。

Nさんの前職に片腕のない女の子がいた。

たぶん20代くらいだろうから女の子としておく。

左の肩から先がなかったらしい。

片腕がない原因が

生まれつきなのか病気なのか事故なのか

経緯は分からない。

Nさんの前職の会社は結構大きな会社である。

地元では誰でも知っている。

大きな会社には障害者の雇用の枠がある。

一定の割合で雇用することが義務づけられている。

片腕がなくてもできる仕事はある。

業務自体は問題なく働いていた、らしい。

しかし問題はあった。

問題は彼女の性格。

Nさんが言うにはその片腕のない女の子は

とても高飛車な性格だったそうだ。

「私はあなたたちとは違う。」

「私は特別な存在だ。」

「私になにかあったら『協会』が黙っていない。」

『協会』というのは障害者を支援する団体のことらしい。

「障害者協会」というものがあって、

彼女のバックにはその組織がある。

もし障害を理由に不当な扱いを受けたら

その『協会』から企業に対して

なんらかの指導か?圧力的なものがあるらしい。

企業にしてみても

「障害者をいじめてる会社」とレッテルを貼られたら

イメージが悪くなるだろうから

『協会』に目をつけられないように

しないといけない。

ことあるごとに『協会』の権威をちらつかせ

わがままに振る舞う片腕のない女の子。

その子に対して、会社も上司も同僚も

みんな腫れ物に触るように接していたらしい。

さらにその片腕のない女の子は

相当羽振りがよかったようだ。

若いのに高級ブランド品をいつも身につけていた。

Nさんいわく、

「あの子、かなりお金もらってたんだろうね。

同じ年の子じゃ絶対買えないようなブランド品を

いくつも持ってたし。自分は特別!って感じだったよ。」

どういう経緯で得たお金とブランド品なのかは

分からない。

そして片腕のない生活というものは

察するにあまりある苦労があるのだろう。

しかし、だからといって与えすぎても

人はダメになってしまうのではないだろうかと

思ってしまった。

ケース2・ニオイに敏感なMさん

私の前職にも障害を持つ人がいた。

その人は耳が聞こえにくい、いわゆる難聴だった。

自分が発した声が聞こえないと

言葉の発声はうまくできない。

そのため言葉もうまく発音できなかった。

声の強弱が激しい。

話せない、聞こえないのでその人との会話は

主に手話か筆談である。

以前、私は会社に香水をつけていったことがある。

自分のニオイにコンプレックスを持っていたためである。

普段はつけてないものの

ストレスがたまると自分のニオイがイヤになるので

つけることがあった。

その時は自分でもつけすぎか?とは思っていたものの

まあ大丈夫かな、誰も何も言わないだろうしと軽く考えていた。

すると休憩時間にMさんがスタスタと近づいていた。

普段全く話しかけもしないので驚いた。

そしてMさんは何か書いてあるメモをバンと見せてきた。

「会社にコロンをつけてこないでください。

くさい!気分が悪くなる!」

と書いてあった。

正直、かなりショックをうけた。

彼女との意志の疎通の手段のひとつとはいえ、

文字で強めに言い渡されるとやはり

落ち込む。

しかし、悪いのは自分だった。

他人に迷惑を掛けるのはよくない。

もちろん次の日から香水はやめ

それ以降一切つけていない。

しかしその後、

Mさんは何かニオイのするコロンのような

香水のようなものをつけていた。

Mさんは仲のいい友人に

「これをつけてるの!」みたいになにかのビンを見せていた。

その光景を見て私は腹が立った。

「私には香水をつけるなって言ったのに

自分がつけるのはいいのか?」

彼女が私にしたように

抗議の内容の手紙でも

投げつけてやろうかと思った。

しかし互いに筆談の水掛け論になりそうなので

やめた。

そんなのは不毛でしかない。

それに障害があろうとなかろうと

「自分がすることはOKで、同じことを他人がするのはダメ」

という人はいるものだ。

彼女に限ったことではない。

障害者も自分と同じ人間だ。

聖者でもなんでもない。

身勝手な人はいるし

性格がねじまがった人もいる。

身体的な障害があることは

太っている、痩せている、

ハゲている、年をとっていると

同様のただの身体的特徴にすぎない。

精神的な障害があってもなくても

優しい人もいれば身勝手な人もいる。

それぞれ、特徴であり個性である。

障害によって生活に不便が生じることがあれば

サポートは必要だろう。

しかし、あまりに特別扱いするのは

どうなのか?

特権を与えるのはいいのか?

障害者は可哀想なのか?

障害者側は自分は可哀想だと思われたいのか?

健常者側は障害者は可哀想だと思いたいのか?

ケース3・今の会社と最大の敬意

今の会社で隣の部署に車椅子の女性がいる。

部署が違うのであまり交流はない。

彼女は日々、皆と同じく仕事をし

同僚と不自由なく話している。

車椅子であること以外

全く普通に見える。

私がもし彼女と仕事をすることになったとしたら。

彼女が日常で困っていればもちろんサポートをする。

そして上司から特に指示がない限り

仕事に関して特別扱いはしない。

他の人と同じく、普通に接する。

普通こそが最大の敬意なのだと思う。

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